データから分かること、そして思ったこと。

2018/01/27(土)

こんにちは!

最近はサッカーも細かくデータ化されて色々なことが分かるようになってきました!

先日のブログのように選手個人やチームの攻撃や守備などのデータを見ることができ、新しい見方ができます!!


川崎フロンターレのデータ

2017年のJ1上位3チームは以下の通りです。

 1位 川崎フロンターレ

 2位 鹿島アントラーズ

 3位 セレッソ大阪

川崎Fがみごと初優勝しましたよね!

Jリーグのサイトにはトラッキングデータ(走行距離・スプリント回数)というものが公表されていて、選手、チーム(試合別・平均)が載っています。

チームの平均順位を見てみましょう。

まずは走行距離(チーム平均)からっ!

■走行距離(チーム平均)

 1位 サガン鳥栖 (114.149km)

 2位 ベガルタ仙台 (113.940km)

 3位 ガンバ大阪 (113.600km)

 4位 セレッソ大阪 (112.506km)

    :

 16位 鹿島アントラーズ (109.244km)

 17位 川崎フロンターレ (109.072km)

そしてスプリント回数(チーム平均)は…

■スプリント回数(チーム平均)

 1位 鹿島アントラーズ (171回)

 2位 ガンバ大阪 (169回)

 3位 柏レイソル (165回)

    :

 5位 セレッソ大阪 (163回)

    :

 17位 川崎フロンターレ (144回)

ちょっと驚いたのが川崎Fの順位の低さ。

とても1位のチームとは思えないような順位です。しかしこちらのサイトを見ると…

■パス

 1位:川崎フロンターレ (657)

 2位:浦和レッズ (601)

 3位:鹿島アントラーズ (525)

■シュート

 1位:川崎フロンターレ (66.62)

 2位:浦和レッズ (25.58)

 3位:鹿島アントラーズ (25.18)

■ボール支配率 

 1位:浦和レッズ (59.6%)

 2位:川崎フロンターレ (56.2%)

 3位:鹿島アントラーズ (53.6%)

上記より、川崎Fがどちらかというとパスを相手陣内で回しながら攻めるチームであることが考えられます。

敵陣でボールを回しているので、走行距離とスプリント回数は少なくなります。

そしてシュートの値がダントツで高く、最も得点している攻撃型のチームです(実は守備もよく失点の少なさはリーグ3位)。


2014ブラジルワールドカップにおけるタックル成功率

FIFAのサイトでも過去のワールドカップの成績を見ることが出来ます。

特に2014ブラジルW杯から様々なデータが記載されています!

今回は地味ですがディフェンスデータを見ることにします。

この中でタックル数(TACKLES)とタックル成功数(TACKLES WON)の記載があります(スマフォサイトはタックル数のみ表示)が、これを

※ タックル成功数 ÷ タックル数 × 100 = タックル成功率(%)

とした場合、興味深い数値が出ました。

この大会のベスト4はドイツ・アルゼンチン・オランダ・ブラジルです。

・ベスト4チームの平均タックル成功率:73%

・参加全32チームの平均タックル成功率:65%

・W杯優勝経験国の平均タックル成功率:69%

 ※イングランドは矛盾した数値のため除外しました

と上位チームや強豪国であるほど高いタックル成功率であることがわかりました。

われらが日本は…

・日本のタックル成功率:55%

全体の平均以下でした…。

ちなみに攻撃的なイメージのあるスペインのタックル成功率は84%です(しかしそれでもグループリーグ敗退している)。

また決勝トーナメント進出した16チームで日本よりタックル成功率が低いチームは3チーム(アルジェリア53%、コスタリカ38%、ウルグアイ33%)でした。

この大会で日本はベスト4を目標にしていたと思いますが、ベスト4にたどり着くにはタックルに限らずかなりの守備力が必要となりそうだ、ということが分かります。


攻撃では一向に世界的なドリブラーやストライカーが出てきていません。

そして守備の問題も結構根が深いのかなと思っています。

古いですが、興味深い記事がいくつかありましたので載せておきます。

バルセロナのサンス監督は2日目終了後、報道陣に日本チームの印象をこう答えています。
「ひとつはフェアプレーの素晴らしさ。もうひとつはプレーがうまく行ってもそうでなくても、チームの状態が良くても悪くても、最後まで諦めずに頑張ること、3つ目は技術に優れていること。ただし……」
ポジティブな3つの要素をあげたあとサンス監督はこう続けました。
「攻撃の際の技術に比べて、守備の技術、DFへの球際がヨーロッパのクラブに比べて緩い点が気になりました。距離を詰めるのに時間がかかるため、こちらが攻撃の準備する余裕がありました。」
この指摘は裏を返せば、バルセロナの間合いを詰めるスピードの速さを表しています。大会初日も普段はビルドアップできる場面でバルセロナの選手にプレッシャーを掛けられ、ボールを失ってしまう選手が多く見られました。これはリバプールが国内のチームと対戦した試合でも同じようなシーンがよく見られました。


日本人の留学生をいくつかのチームに連れていきテストを受けさせるのですが、よく言われるのが「日本人は守備をしない」と。どういうことかというと、日本人選手の多くはボールを奪いにいく守備ではなく、プレーを遅らせる守備を選択する傾向にあります。まずは抜かれないように相手に寄せにいって、仮にパスを出されても縦に決定的なボールを入れられなければOKです。しかしドイツ人からすると、守備とはボールを奪いにいく行為なんです。ですから「守備をする」と一言に言っても日本人とドイツ人の感覚は違います。ただ、ドイツ人はボールに対して一発で寄せにいくので、日本の感覚からすると「守備が軽い」と取ることができます。日本とドイツのどちらがいいか悪いではなく、ボールを奪いにいくプレーも、遅らせるプレーも両方できた方がいいですよね。

ちなみにドイツは前回のW杯で優勝しています。

また、先日「FOOT×BRAIN」という番組でハリルホジッチ監督のこんなインタビューがありました。

( 2018/1/14放送「2週連続特別企画!セルジオ越後とW杯大展望SP」動画サイトにありました)

■ヨーロッパ遠征(ブラジル、ベルギー)について
去年の欧州遠征では相手が5人抜いたというより
日本の選手が5人通してあげたと言った方がいいでしょう
つまりまず守備を厳しくしないといけないということです
なぜこんなことになってしまったのか? 
W杯で同じことをしたら絶対に勝てません
■4失点を喫した韓国戦について
韓国戦でもビデオを見せて背の高い選手に対して
どう守るべきかを指導しましたが
クロスが入ったときには5mくらい離れていました
これは日本の弱点です
ペナルティエリア内でフリーにしてしまう
守備の第一は相手の近くにいること
そしてデュエルで相手に負けないことです
それが出来なくとも相手がいい形で
プレーしないようにしなければなりません
そのためには相手の近くにいること
もう何百万回も言っていますけどね
守備の面での日本の最大の弱点です
とにかく距離が悪い!
W杯前に修正します 

現在の日本代表の守備はダメだと言いきっています。

確かに私も高校時代(もう25年以上前かっ…)に教わった1対1の守備は不用意に相手に突っ込まずに半身のバックステップで相手に合わせながらドリブルやトラップが大きくなったら体を入れて奪う、とかプレーを遅らせて味方が戻るのを待ち数的優位を作る、というもので私に限らず割といまだにこの手の守備をしている選手は多いと思います。

でもバルセロナユースの監督やドイツの指導者、ボスニア・ヘルツェゴビナ人のハリルホジッチ監督のコメントを見ると、どうもヨーロッパサッカー(おそらく南米も)の守備に対する意識や感覚は、日本人と異なっているのではないかと、ここ数年強く感じています。

そして長年異なっていた守備の意識の差が、メンバーが違うということはあるものの最近徐々に露呈し始めている気がしています(韓国に1-4の大敗、先日のU23大会でウズベキスタンに0-4の大敗)。

杞憂なら良いのですが…。

W杯前回大会、アルゼンチン代表のマスチェラーノのプレーを見て衝撃的でした。

守備的MFのポジションながら、攻撃的ともいえる守備。

本人が股が裂けた(!?)というほどの激しいスライディングタックル、それでいてファールは取られない!!

そして絶対にボールを奪うという強い意志と覚悟が体からみなぎっていました。

アルゼンチンが準優勝した原動力となっていたことは間違いありませんでした。

W杯準々決勝でベルギーに勝利した試合でマラドーナが「マスチェラーノ+10人だった」と評価したこともうなずけます。


そして最近FacebookでFIBRA FOOTBALL CLUBさんがシェアしていた記事…。

「どんな子をスカウトして来るの?」
 「ドリブルができる子だ」 
スカウトは続けた。「子供には、まず11人全員を抜け、と指示する。一人で全員を抜けるなら、それが勝つための最良の手段だ。だが年齢を重ねれば、11人が10人……3人と、だんだん抜ける相手が減っていく。そして最後に1対1でも苦しくなったら、パスを教えるんだ。そこで子供たちは、パスの有効性を理解する。パスから入ると、絶対にパスコースを探す。しかしパスを選択するにしても、行ける時は自分で行くんだという前提がなくてはいけない」
 同じパス回しでも、アルゼンチンと日本を比べれば、圧倒的に前者の方が挑発的だった。
「アルゼンチンがあんなにパスを回せるのは、1対1だろうが1対2だろうが、絶対に取られないという技術があるからです。そうでないとボールは前に進んでいかない。逆に1対1でボールを奪われる可能性が50%もあれば、慌ててパスをつなごうとしてミスをしますよね」

私の勝つための最良の手段は…まずシュートを打て!と指示しちゃうところですが…まぁ色んな意見がありますので(笑)

11人抜け!はさすがに極端な内容ではあると思うものの、若いうちから攻撃も守備も積極的に1対1の勝負する機会を我々がもっと与えてあげなければいけないことと、失敗しても我慢してチャレンジしたことについて認めてあげなきゃな~と感じる今日このごろでした。

失敗したことは本人がよく分かっているはずで、メンタル的に引きずらないよう気をつけてあげたいものです(精神的に図太い選手たちばかりなら良いのですが(笑))。

もし攻守の1対1で磨かれた強烈な個性のある選手達がチームとして生かされたら、本当に面白い試合が見られるんじゃないかなと思いました!

最後に良いお話をおひとつ…

東白石あかつきFC

HIGASHI SHIROISHI AKATSUKI FC

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